間違った情熱の行方
深夜に階下の住人への迷惑も省みることなく風呂に入ってきた。しかし洗顔する度に鼻の下あたりからもの凄い痛みの叫びが聞こえる。決して愛用しているポンズの洗顔フォームが悪いわけではない。単に謎の炎症を起こしているだけだ。 以前にアトピーだと言った覚えがあるのだが、実はアトピーが腕に出た時と同時期に発症したのでアトピーだと決め付けただけで、アトピーでは多分ない。証拠に処方された薬もアトピーのものとは違った。 しかし発症した当時私は準社員として忙しく働きまくり、休みが病院の休診日と重なってしまったりで結局一回行っただけで後はサボってしまったのだ。そういうわけで今更ノコノコと行くわけにもいかず、地元唯一の皮膚科には行けなくなってしまったのだ。 隣町まで行けば良いと評判の皮膚科があるのだが、何しろ患部が顔なので化粧するわけにもいかず、ノーメイクで電車に乗るのはさすがの私にも強い抵抗を感じる。すっぴんの方が可愛いって言われたけどさ。仕事顔見てる人に目撃されたらあたしゃ立ち直れやしない。 と、風呂上りの素っ裸のまんまで一人悶々と考えること5分。そろそろ化粧水を与えてくれと頬が悲鳴を上げ始めた時、私の目にあるものが映った。それは。 フェミニーナ軟膏。 男性の方は知らないかもしれないが、この薬は"デリケートゾーンのかゆみ・炎症用の女性専用薬品"なのである。どこのゾーンを指しているかは各自想像に任せる。 ぬりぬり
これで悪化しても、フェミニーナ軟膏は悪くありません。
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